2010 Fiscal Year Annual Research Report
時間割引アノマリーと異時点間選択行動の経済分析:負債保有、肥満、喫煙行動への含意
Project/Area Number |
21330046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 新介 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70184421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 文雄 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50176913)
田中 敬一 首都大学東京, 都市教養経営学系, 教授 (00381442)
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Keywords | 時間割引率 / 双曲割引 / 符号効果 / 負債 / 肥満 / 時間選好率 / エアコン / 省エネ |
Research Abstract |
時間割引率とそのアノマリーを実証的に計測し、実際の異時点間の選択行動への影響を明らかにするとの「研究の目的」から、本年度は「実施計画」にしたがって、以下の研成果をあげた。第1に、アンケートによるクロスセクションデータを用いて、時間選好率と時間割引バイアス(双曲割引、符号効果)が肥満ややせなどの体格と有意に説明することを実証的に明らかにした。とりわけ、双曲割引や符号効果と体格の関係を直接分析した実証研究は、文献上初めてのものであり、Social Science Research NetworkにアップしたDPは期間ダウンロード数でTop10に入るとともに、医療経済学の分野で国際的にもっとも定評のあるJournal of Health economicsに掲載された。 今年度は時間割引率に関する2種類のデータを入手し、現段階で分析をほぼ終了している。1つは、2006年-2007年のエアコン取引のPOSデータであり、そこから得られる省エネと価格、販売情報から消費者の時間選好率を推定している。いま1つは、日経リサーチを通じて行ったインターネット調査「時間とリスクに関する選好調査」であり、これより双曲割引や符号効果という時間割引特性が人々の負債行動や健康と仮説通りの相関を示すことが解明されている。これらについては、来年度出版成果にまとめることを目指す。
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Research Products
(6 results)