2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330048
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
美添 泰人 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80062868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 淳司 青山学院大学, 経済学部, 教授 (00133695)
荒木 万寿夫 青山学院大学, 経営学部, 教授 (20303050)
藤原 丈史 東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (60348456)
樋田 勉 群馬大学, 社会情報学部, 准教授 (00329129)
元山 斉 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構, 新領域融合研究センター、DBCLS, 研究員 (20383490)
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Keywords | 経済統計分析 / ミクロデータ / 公的統計 |
Research Abstract |
今年度は,本研究の課題である主要な公的統計を対象として,ミクロ統計データを用いた経済分析に関わる技術的な問題点を明らかにする研究を進めた.これまでの研究によって,本研究の目的とした「公的統計を多様な経済分析に利用とするために適当な秘匿処理」に対しては,ある程度の指針を導けたものと考えている. 平成23年度の計画としていた世帯統計を対象とする研究に関しては,数種類のデータを利用した分析を実施したところ,国が提供している匿名化標本データでは,通常の研究に対しては許容される程度の秘匿処理が施されていることが確認できた.個別情報の保護という視点では特段の脆弱性はないが,詳細な研究のために十分な情報が開示されているかどうかは,最終年度にも引き続き分析することが必要と判断している. 世帯統計を利用した実証研究としては,社会生活基本調査のミクロデータを利用して,西郷浩による「社会生活基本調査から見た美術鑑賞行動の特徴」と樋田勉による「社会生活基本調査による消費者の購買行動分析」の二つの分析が実施された. また家計調査を用いた後藤・美添の研究は,ミクロデータを利用した分析と比較するための準備的分析であり,労働力調査のパネル構造を用いた永瀬の研究は,本格的な分析のためには秘匿措置が少ないデータが必要であることを示している.さらに,荒木・稲葉による「世帯類型作成プログラム」は,今後の世帯統計の整備方法を提示する研究である.経済統計とは違う分野では,両角がレセプトデータを利用したミクロデータ分析の有効性と課題を明らかにしている. 理論的かつ実用的な研究としては,有限母集団という公的統計の特性に着目した元山の研究と,公的統計の指数化および頑健化に関する美添の研究は着実に進行している.さらに椿・元山は公的統計調査および集計における質保証の問題を正面から取り上げて,先駆的な成果を上げている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度までの研究によって,国が提供している匿名化標本データでは,通常の研究に対しては許容される程度の秘匿処理が施されていることが確認できたことから,本研究の目的とした「公的統計を多様な経済分析に利用とするために適当な秘匿処理」に対しては,ある程度の指針を導けたものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究によって,個別情報の保護という視点では特段の脆弱性はないといえるが,その一方で,詳細な研究目的のために十分な情報が開示されているかどうかについては,最終年度にも引き続き分析することが必要である.
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Research Products
(33 results)