2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経科学を考慮した仮想市場法の理論構築と調査手法の改善
Project/Area Number |
21330052
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肥田野 登 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (90111658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 英樹 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90221837)
加藤 尊秋 北九州市立大学, 国際環境学部, 准教授 (20293079)
小谷 泰則 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (40240759)
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Keywords | CVM / 回答時間 / 身体認識 / fMRI |
Research Abstract |
極めて厳しい財政制約のもと適切な公的政策実現のため費用負担者の政策実施による効用を可能な限り正確に把握し費用便益分析を行いながら意思決定をする必要性はますます高まっている。そのために現実に存在しない状況を想定し非物質的な側面をも踏まえて人々の効用を直接求める必要がある。表明選好法はそれを行う唯一の方法である。その代表として社会調査を基本とした仮想市場法がある。本研究はこれらの問題を解決するために実験経済学神経科学の方法を援用して可能であれば脳イメージマッピング及び生理学的な指標により調査時点の回答者の効用を直接的に計測しモデルの検証を行い又その知見に基づき仮想市場法を改善することを目的としている。調査の際の効用として、社会的に良いことをしたという満足感(温情効果)uw、調査者に対して、誠実さの提供、義務への返答あるいは好意の提供(kindness)による満足感ukがある。一方費用としては、調査の回答に要する時間t、誠実な回答のための追加時間tk、時間制約下で最適行動をすると考える。本年度の分析から調査回答時間が合理的な理由によって説明出来ることを初めて明らかにした。また人間の行動が自己身体の認識によって変わることを神経科学的手法で明らかにできた。これによってCVMの手法精度向上のためにはより詳細な分析枠組が必要であることが分かった。特に個人がおかれた状況と行動の関係性を可能な限り明確にするモデルの構築が急務である。
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Research Products
(3 results)