2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療政策のためのデータベースの構築と医療データの計量手法による分析
Project/Area Number |
21330053
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
井伊 雅子 Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 教授 (50272787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 清秀 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (50270913)
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Keywords | 医療費 / 医療機関 / 医師数 / レセプトデータ / DPCデータ |
Research Abstract |
平成21年度は、既存の指定統計や行政記録が、わが国の医療の需要・供給・コストの評価にどのように利用できるかを検討した。医療の需要を把握するためのデータとして、病院報告・患者調査・受領行動調査・DPCデータ・社会医療診療行為別調査・介護サービス世帯調査、供給を把握するためのデータとして、病院報告・医療施設調査・社会福祉施設等調査・医師/歯科医師/薬剤師調査・無医地区等調査、コストのデータとして国民医療費・社会医療診療行為別調査を検討し、データベースの構築を行った。 需要分析に関しては、急性期医療においてはDPC調査データを、慢性期や外来等ボリューム把握が主要な調査目的である部分については電子レセプトデータや社会医療診療行為別調査の活用で、より効率的で正確な情報を確保できる仕組みが構築できることが示唆されたが、レセプトデータでは病名登録に信頼性に問題があり、今後は統一された病名登録の仕組みが最重要課題である。社会医療診療行為別調査も、季節変動や悉皆性を考慮して通年で電子レセプトデータを解析し、一定のフォーマットを使って解析結果を報告するシステムが必要である。医療供給のデータから地域の医療資源の充足状態を把握し、医療計画の立案に活用するために、医療施設調査は今後も重要な調査である。改善点として、保健所や社会保険事務局への施設基準の届けなどを活用し、レセプトデータやDPCデータのような医療需要のデータと結合することで、より有意義で多角的な情報を提供できると考える。現在、医療のコストに関する数少ない調査として、医療経済実態調査があるが、サンプル施設数が少なく、経営主体が自治体病院に偏るなど問題点は多い。医療のコスト面を把握するためには、本調査を全数調査にする、医療法の下で経営している医療機関をすべて対象にする、病院の会計原則を統一して保険診療と自費診療に分けて財務報告を公開するなどの改善が必要である。
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[Journal Article]2009
Author(s)
井伊雅子
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Journal Title
MAKING HEALTH SERVICES MORE ACCESSIBLE IN DEVELOPING COUNTRIES : Finance and Resources for Functioning Health Systems, "Development of Social Health Insurance Systems : Retracing Japan's Experience"(ed. by Hiroko Uchimura)(Palgrave Macmillan)
Pages: 80-105
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