2010 Fiscal Year Annual Research Report
医療政策のためのデータベースの構築と医療データの計量手法による分析
Project/Area Number |
21330053
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
井伊 雅子 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50272787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 清秀 東京医科歯科大学, 医学部付属病院, 教授 (50270913)
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Keywords | 社会診療行為別調査 / DPC調査データ / 医療の質の評価 / OLAP |
Research Abstract |
社会診療行為別調査を中心にe-STAT等で公表されている医療統計の試験的OLAP化を試みた。 DPC調査データに関してはコード化された日々の診療行為明細を含む詳細な電子データであるため、大規模な診療データを構築することにより、詳細かつ広範な診療プロセスに適している。ただし、データ規模が非常に大きく、数百万から数億件のレコードの同時処理が必要となる場合が多い。 そこで、このような大規模データの高速な集計分析のために、イン・メモリーOLAP分析の適用を試みた。4-core CPUと24GBのメモリを有するワークステーションを用意し、QlikView10^【○!R】を使用して、1000万件程度のDPC調査データ診療明細EFデータの分析を行った。 具体的には、特定集中治療室(ICU)入院管理科と人工呼吸器算定料をキーとして、入院患者の年齢階級別にICUとそれ以外での人工呼吸の使用実態を集計した。諸条件の変更ごとの計算、集計グラフの描画時間は1分以内であり、対話的な解析が可能であった。小児科領域のICU外での人工呼吸器が比較的多いことが見いだされた。 一方、これらの分析手法を医療の質の評価に結びつけるために、諸外国での大規模診療電子データの利用実態と分析手法を調査し、薬剤有害事象の検出、血液浄化療法の評価、人工呼吸器合併症の評価等の手法を参考に検討を進めることが可能と考えられた。 これらの分析手法の開発は、近年始まったばかりの我が国の大規模電子診療データを用いた研究の発展につながるとともに、医療の科学的評価と医療の質の向上に結びつくことが期待される。
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