2009 Fiscal Year Annual Research Report
制度生態系アプローチによる経済政策論の研究:進化主義的制度設計と地域ドック
Project/Area Number |
21330063
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西部 忠 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50261269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (90313709)
吉地 望 旭川大学, 経済学部, 准教授 (50399979)
草郷 孝好 関西大学, 社会学部, 教授 (30308077)
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Keywords | 経済政策 / 制度生態系 / 地域ドック / 進化主義的制度設計 |
Research Abstract |
当該年度は,研究実施計画に沿って,制度生態系の理論構築・応用と政策論の展開・体系化に取り組んだ。特に貨幣制度生態系に関する実態を把握するための調査として,ブラジルのパルマス銀行を訪問し,貨幣制度に関するインタビュー調査を行った。 その主要な成果は,研究代表者および研究分担者による共著論文「進化主義的政策手法としての地域ドック」(『進化経済学論集』第14集所収)に示されており,制度生態系と進化主義的制度設計の概念を明らかにするとともに,進化主義的政策手法の一つとして地域ドックを位置づけた。その論文に基づき,進化経済学会第14回全国大会(大阪大会)では,研究協力者である栗田健一氏(北海道大学大学院経済学研究科博士後期課程)と小林重人氏(北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士後期課程,日本学術振興会特別研究員)を交え,企画セッション「制度生態系アプローチによる経済社会政策論」を開催した。そこではまず,制度生態系のアプローチに基づく経済社会政策論の理論的枠組みを提示した上で,それを貨幣制度生態系と貨幣意識の多様性という観点から実証した,地域通貨利用者の認知枠および意識変容に関する研究成果を報告した。 以上の研究成果に至る過程で,計5回の全体および個別会議を実施し,研究メンバー間における理論的枠組みの共有化や概念整理に努めた。また,10月(札幌)と3月(彦根)の全体会議において,エンパワメント評価手法の専門家(福岡女子大学 和栗百恵氏)を招き,研究メンバー自身による研究進捗のアセスメントと評価を行って,その成果を班別研究のためのガイドラインとして利用した。
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