2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330068
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中川 雅之 Nihon University, 経済学部, 教授 (70324853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 義久 日本大学, 経済学部, 教授 (70299874)
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Keywords | 成長管理政策 / 都市開発境界 / インパクトフィー / 実験室実験 / フィールド実験 |
Research Abstract |
本研究では、成長管理政策のパフォーマンスを検証することを目的の一つとしている。このため、成長管理政策に関する既存文献を整理することで、取り上げられている政策を経済学的に位置づける試みを行っている。この成果は、中川(2009)として公表されている。ここでは、都市開発境界などの規制的な政策手段を、インパクトフィーなどの価格メカニズムを活用した手段に変更することで、厚生水準が上がる可能性が示されている。 しかし、都市経済学は住宅土地市場のゆがみを取り去る特定の政策が、現状を改善することを示すことはできても、その結果としてどのような空間が実現するのかを示すことにはあまり熱心ではなかった。そしてそれが政治的なプロセスで経済学的な提案が説得力を欠いている1つの原因になっていたように思われる。 このため、この科学研究費で実施する一連の分析では、実験を実施することで経済学的な提案が実際にどのような姿の都市を実現するかを検証する手法を探求する。具体的には、都市のインフラ整備・維持の費用を税金によって居住者から平均的に徴収する仕組みと、インパクトフィーのような限界費用を開発者から徴収する仕組みが都市規模に与える影響を、実験室実験とフィールド実験によって確認した。実験室実験としては、2010年2月に東京大学と上智大学の学生を使った実験により、後者のルールで実現する都市の規模がより小さくなり、厚生水準の向上をもたらすことを確認した。また、その後インターネットアンケートを活用したフィールド実験により、同様の趣旨が確認されている。
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Research Products
(9 results)