2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330068
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中川 雅之 日本大学, 経済学部, 教授 (70324853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 義久 日本大学, 経済学部, 教授 (70299874)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | フィールド実験 / マンション建替え / クールノー学習 / 損失回避性 |
Research Abstract |
本研究では、都市開発境界などの規制的な政策手段を、インパクトフィーなどの価格メカニズムを活用した手段に変更することや、当事者同士の交渉をベースとしたコース的なメカニズムを用いる制度とすることを、実験的に評価しようとしている。 このため、21年度には都市開発実験、22年度にはマンション建替え実験、23年度には行動経済学的な文脈で、不動産価値の低下局面での資産保有者の行動を検証する実験を実施している。 平成24年度には一連の実験の成果のとりまとめ、特に経済理論の予想とのかい離を示した結果の整理を行った。例えば、22年度に実施したマンションの建替え実験では、区分所有権の解消決議などの制度を備えた場合の当事者同士の交渉への影響を実証的に確認している。その際観察された被験者の行動は、非戦略的な行動による正解、弱支配戦略による正解を探して、それに到達するという行動は、現実の行動をうまく描写していないのではないか、というものであった。むしろ、実験の最初に様々な合理性に従い投票行動を行い、それを徐々に修正する、つまり他者の前回の行動を所与として、自分の利得を改善できる投票行動によって修正していく。クールノー学習の過程だと考える方が現実をうまく説明できるのではないだろうかという結論に至った。だとすれば、学習行動に時間がかかる複雑なルールは結果を予想できないため、ルールとしての効率性は落ち、できるだけ単純なルールが好ましいというインプリケーションを得た。 また、平成23年度の実験では、不動産価格の高い時期に不動産を購入した者は、損失を確定させることができず、それが不動産の流動化を妨げている可能性があることが実験環境でも確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)