2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330069
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
小峰 隆夫 法政大学, 政策創造研究科, 教授 (90366823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 義行 法政大学, 政策創造研究科, 教授 (50105847)
黒田 英一 法政大学, 政策創造研究科, 教授 (50305976)
武藤 博己 法政大学, 政策創造研究科, 教授 (40182076)
申 龍徹 法政大学, 政策創造研究科, 准教授 (60465359)
諏訪 康雄 法政大学, 政策創造研究科, 教授 (00139388)
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Keywords | 経済政策 / 日本経済 / 地域経済学 / 人口問題 |
Research Abstract |
長期的視野で見たとき、日本経済社会にとっての最大の問題は人口問題である。本研究では、人口が重荷となる「人口オーナス」が今後、地域経済、地域住民の生活、政治課題・行政課題に対する地域住民の意識、行政施策の遂行に及ぼす影響を、数量分析およびアンケート調査により分析を行うことを目的とする。 人口が経済に及ぼす影響については多くの研究があるが、本研究では「人口構成の変化」に着目する。人口構成については「少子化」「高齢化」などのアプローチがあるが、本研究では、人口に占める生産年齢人口(または労働力人口)の比率に着目する。分析概念としては、日本が、人口に占める生産年齢人口の比率が高まる「人口オーナス」の時代から、同比率が低下する「人口オーナス」の時代に入ったことをキーとして考えていく。 本年度はこれまでに実施したアンケート調査、聞き取り調査(国内、海外)の補足調査を実施し、数量分析(人口オーナス進行度、政策決定の優先順位、地方財政への影響)の結果とあわせて取りまとめた。 その結果は以下の通り: 人口オーナスは現に進行しつつあり、大都市の一部においては今後一時的に改善するものの、再び悪化が見込まれる。人口オーナスは、生産年齢人口比率の低下によって生産を抑制し、税収も減少させる一方、社会保障給付の拡大をもたらす。不況による保険料収入の低迷もあって財政への負担は一層高まっており、地方の負担割合は上昇しつつある。また、高齢者割合の上昇と高齢者の高い投票率とによって、高齢者優先の政治的意思決定を前倒しで実現してしまう可能性が高い。
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Research Products
(11 results)