2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代医療ナレッジマネジメントの研究-最先端電子クリニカルパスを中心に-
Project/Area Number |
21330089
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
梅本 勝博 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 知識科学研究科, 教授 (40114938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 准教授 (40369864)
杉原 太郎 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教 (50401948)
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Keywords | ナレッジマネジメント / クリニカルパス / 知識創造 / 知識共有 / オントロジー |
Research Abstract |
本研究は、クリニカルパス(治療行程一覧)を中心とする医療ナレッジマネジメントにかかわる各種医療専門家とともにおこなうアクションリサーチである。平成21年度には、クリニカルパスを利用する医療専門職チームのメンバー間でいかに知識の共有と創造がおこなわれているか?」をインタビューと文書分析によって明らかにしようとした。以下が明らかになったことである。 クリニカルパス作成段階における知識の共有と創造については、クリニカルパス作成者の間で作成に参加していない医療専門職の知識とその違いの認識が共有され、クリニカルパスという統合的な知識が創造されていることが明らかになった。また、クリニカルパス利用者はその利用過程で新たな実践的知識を創造していた。 しかし、様々な医療専門職がチームとして医療に取り組むためには、彼らの持っている専門的知識間の関係が目に見える形で提示されなければ、医療専門職1人ひとりはチームのメンバーとして機能しえない。そこで、アクションリサーチとしては、まず一つのクリニカルパスに含まれる専門的知識の関係性をオントロジー(概念間の関係)として表示することにした。 選択したクリニカルパスの文書分析をおこなうと同時に、それを作成者へのインタビューをおこない、彼らの目的・意図・解釈などを明らかにした。その上で、やるべきタスクについて概念を定義し、複数のタスク間の階層的な関係を図に可視化した。また、タスクの目指すアウトカム(成果)をクリニカルパスから抽出し、それらも階層的な関係の図に可視化した。 以上の研究成果の意義は以下の通りである。これまでのナレッジマネジメントの研究では、創造された知識の中味について深い分析がおこなわれることはなかった。また、ナレッジマネジメントの実証的な研究に知識工学的なオントロジーが使われたのはこれが最初である。その意味で、この研究の意義は大きい。
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Research Products
(2 results)