2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代医療ナレッジマネジメントの研究-最先端電子クリニカルパスを中心に-
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21330089
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
梅本 勝博 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (40114938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (80212786)
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 准教授 (40369864)
杉原 太郎 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教 (50401948)
山崎 友義 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 研究員 (50586609)
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Keywords | ナレッジマネジメント / クリニカルパス / 知識創造 / 知識共有 / オントロジー |
Research Abstract |
本研究は、宮崎大学付属病院で実践している電子クリニカルパスによる医療ナレッジマネジメントのアクションリサーチをおこない、その理論的モデルを構築するとともに、実務的な問題の解決案としてのガイドラインを作成することを目的としている。 平成22年度は、宮崎大学病院の診療科・病棟で収集したアンケート調査データをSPSSで、書きおこしたインタビューデータはテキストマイニングのキーグラフ法(現象に隠れた因果律を大量データから顕在化する方法)で分析し、得られた知見を基に、現場の医療専門職やICT研究者、医療情報研究者が参加する学際的アプローチにより、電子クリニカルパスによる医療ナレッジマネジメント理論的モデルを構築した。 実践的なアクションとしては、昨年度構築したクリニカルパスに含まれる医療専門職の多様な知識の関係性を明示できるオントロジーを用いて、職種ごとに異なるケアの目的・意図を明らかにし、各医療専門職の文脈的知識を明示する説明文を作成してクリニカルパスに付与して、その説明文付きのクリニカルパスを臨床現場で実践してもらった。 構築した理論的モデルは、説明文付きクリニカルパスを用いるチーム医療における患者の積極的な役割を強調し、クリニカルパスという統合知と各医療専門職の専門知が相互作用しながら高度化・高質化していくスパイラルアップ・プロセスにより、チーム医療のナレッジマネジメントを説明するものである。これは、既存の統合知を組織レベルで実践しつつ改善していくモデルであり、経営分野でよく見られるインクリメンタル・イノベーションを説明できる普遍性を持っている。さらに、統合知と専門知の相互作用という新しい現象を発見したことには大きな意義がある。
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Research Products
(4 results)