Research Abstract |
本研究は4カ年計画で実施される.第1年度に当たる平成21年度は以下の通り,おおむね研究計画に沿って研究が実施された.以下,今年度の実績について簡単に説明を行う.第1に,日本型経営,コンプライアンス研究に関連する文献ならびに各種資料を入手・狩猟し,これまでの研究を各自の専門領域の立場から多面的に検討し,日本型コンプライアンスモデルの試論的な分析枠組を構築した.また,日本型コンプライアンスモデルの分析枠組の背景となる理論的な背景について,経営学会,組織学会の全国大会の統一論題において研究代表者が報告を行った.第2に,日系企業の海外子会社におけるコンプライアンス体制の実態の把握,並びに世界におけるコンプライアンス研究の現状把握,資料収集,意見交換を行うため,アメリカ,フランスにおける海外調査を実施した.第3にコンプライアンス活動に積極的であり,日本企業のコンプライアンス活動の先駆的な事例として位置づけられる日本企業の選択を行い,予備的なヒアリング調査を行った.予備調査において,当該企業の,(1)コンプライアンス活動の現状・実態,(2)コンプライアンス活動の歴史的経緯(背景)等が明らかにされた.第4に,これらのパイロットスタディを通して,今後行われる予定である詳細なヒアリングの際に利用する質問項目の特定化が進められた.また,これらのパイロットスタディを通して,日本型コンプライアンスモデルの分析枠組のより一層の精緻化を行った。なお,本年度の研究成果の一部は,次頁に示す研究論文として発表されている.
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