2009 Fiscal Year Annual Research Report
臨床心理学初学者のための家族療法(システミック療法)教育プログラムの構築
Project/Area Number |
21330158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中釜 洋子 The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 教授 (40272489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平木 典子 東京福祉大学, 社会福祉学研究科, 教授 (50238870)
藤田 博康 帝塚山学院大学, 人間文化学部, 教授 (80368381)
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Keywords | 臨床心理士教育 / 家族療法・システミック療法 / 家族合同面接 / ロールプレイ / 実践トレーニング / 研修プログラム |
Research Abstract |
本研究は、3年間をかけて「臨床心理学初学者のための家族療法(システミック療法)教育プログラムの構築」を目指すものだが、具体的には、4つのテーマに分けて取り組むことで研究を推進する。とりわけ平成21年度は、「研究1:国内外で行われている家族療法教育研修システム/プログラムの比較検討」「研究2:初学者における家族合同面接の経験:臨床心理学の初学者は、家族合同面接の実践にあたってどのような困難を体験するかを家族との関係づくりとアセスメントの観点から明らかにする」に焦点を絞って調査・研究を推し進め、「研究3:経験を積んだ家族療法家における家族合同面接の経験」「研究4:初学者を対象とした家族療法(システミック療法)の教育プログラムの考案」については、平成22、23年度、本格的に取り組む準備として、予備的アンケート調査を実施した。 まず研究1の国内外の教育研修プログラムの比較検討としては、比較的最近、カウンセラーの上位資格としてシステミックセラピストを位置づけ、研修訓練のカリキュラムを作り上げた英国の研修機関を複数視察して、質の高い学びを保証する条件と工夫について意見交換を行ってきた。成果は22年度の日本家族心理学会年次大会で発表する予定である。 研究2については、合同面接ロールプレイという方法を活用し、初学者の実践困難性がどこに見出されるか、検討する研究では、経験1~5年のグループ、経験7年程度のグループを作って合同面接ロールプレイを実施し、登場人物にインタビューして振り返りデータを得た。平成22年度に詳細な分析、違いの検討を行ってゆく予定である。複数メンバーとの関係づくりという課題を乗り越えることが第一のステップ、持ち込まれた家族力動やコミュニケーションパターンに働きかけるスキルを身につけることが第二のステップになるが、第二のステップはシステミックなものの見方を柔軟に駆使することが必要で、そのあたりに学びの困難があるというのが、初年度の暫定的結論である。ひとまずの成果を紀要論文などにまとめた。
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