2011 Fiscal Year Annual Research Report
臨床心理学初学者のための家族療法(システミック療法)教育プログラムの構築
Project/Area Number |
21330158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中釜 洋子 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40272489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 博康 帝塚山学院大学, 人間文化学部, 教授 (80368381)
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Keywords | 臨床心理士教育研修 / 家族システミック療法 / 家族合同面接 / ロールプレイ / 実践トレーニング / 教育研修プログラム |
Research Abstract |
2011年は、3年間の研究プロジェクトの最終年度にあたり、同時並行で進めてきたプロジェクトの追加研究と再分析、および成果の発表を行った。「臨床心理初学者のための家族・システミック療法教育プログラムの構築」を目指す本研究は、「研究1:諸外国の家族療法家養成・訓練システムの視察調査」「研究2:臨床心理初学者は家族合同面接をいかに経験するか」「研究3:臨床心理経験者は家族合同面接をいかに経験するか:(プロジェクト3-1)アンケート&インタビュー調査、(プロジェクト3-2)カップルセラピーのプロセス研究」「研究4:臨床心理初学者を対象とする家族システミック療法教育研修プログラムの提案」という4つの研究領域により構成されていた。そのなかでも、2011年度は集中的に研究3を深めた。(プロジェクト3-1)は、研究開始当初から柱のひとつにしてきたプロジェクトで、(プロジェクト3-2)は研究が進展する中で、臨床心理経験者と初学者の中聞ステージのトレーニーに最適の体験的学習という位置づけで基礎研究と教育研修実践の両方の意味を兼ねたプロジェクトとして2010年度に着手した。(3-1)では協力者を新たに追加してアンケートとインタビューを実施し再分析した結果を報告書にまとめ、(2)はカップル面接を追加試行した上でIPR(Interpersonal Process Recall)を用いた合議制質的研究法により分析した。 研究1から3の成果に基づいて、最終的に研究4における提案を行った。1.肯定的初期体験の意義と重要性、2.体験的学びの有効性、3.個人心理療法など他の臨床的アプローチとの違いより以上に共通性を示唆する形での統合的学びの不可欠性、4.臨床事例や現場の要請によって自ずと育まれる研修ニーズという4つが見出された結論であった。 なお2011年度には、結果に関する学会発表、紀要と査読付きジャーナル誌への投稿を積極的に行い、3年間の成果を網羅した研究報告書を作成した。
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