2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21330167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 隆夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60272449)
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Keywords | 視覚 / 運動視 / 自己運動知覚 / ベクション / 運動情報統合 |
Research Abstract |
本研究は、網膜運動,身体運動,複数の座標系の関係を,身体静止時に生じるヴェクションの解析,身体運動時の運動知覚の特性を切り口として以下の諸点に関し実験的な検討を行い,モデルを構築することを目的とする.22年度は、昨年度に引き続き、身体静止時、運動時のヴェクションの基本特性を刺激提示部位ごとに測定し、従来研究で示されている周辺視野の優位性が、身体運動時においても生起することを確認した。また、ベクション生起時の視野各部の部分的な運動視特性を検討するためのプログラムを作成し、予備実験を実施した。さらに、昨年度装置の供給が間に合わず積み残された動作会席系の装置、ソフトウエアを調達し、実際の実験環境へのチューンアップ、実装作業を進めた。実験を実施した結果、タスクが困難であり、データの信頼性に疑問が生じてきたため、タスク改良を試行錯誤的に行い、今後の実験推進への見通しを得ることが出来た。今後、前庭系,体性感覚系に擾乱を与えた場合のヴェクション特性の検討を進めたい。また、身体運動以外の自己運動としての眼球運動、ベクション以外の新しいタスクとして眼球運動中に提示された視覚的な運動刺激に対する眼視野闘争を導入し、眼球運動中の視覚運動刺激に対する両眼視野闘争における網膜、世界、オブジェクト中心座標系、それぞれによって定義された運動の相互関係に関する検討を進めた。その結果、視野闘争がこれまで言われていた網膜座標系の運動以外に、世界座標系、オブジェクト中心座標系によって定義された運動にも依存することを見いだした。この結果は、自己運動としての身体全体、頭部、眼球運動のそれぞれを検討する必要があることを示すものである。
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[Journal Article] Serotonin transporter gene and inhibition of conflicting emotional information2010
Author(s)
Koizumi, A., Kitagawa, N., Kitamura, S.M., Kondo, M.H., Sato, T., Kashino, M.
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Journal Title
NeuroReport
Volume: 21(6)
Pages: 422-426
Peer Reviewed
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