Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 伸幸 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (30335062)
梅田 聡 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (90317272)
齊藤 智 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (70253242)
唐沢 穣 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90261031)
北神 慎司 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00359879)
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Research Abstract |
本研究は.ヒトの認知的コントロールの機能特に記憶の抑制機能に焦点を当て,かつ「認知心理学,認知神経科学,比較認知心理学,社会心理学の知見を援用し,そのメカニズムを解明しようとするものである.基本的な認知記憶研究手法に加えて記憶の抑制機能といった認知的コントロールが,ヒト特殊かどうか,また認知的情報のみならず社会的情報がどのように関わっているか,またエピソード記憶想起に関する近年の理論的展開を踏まえるといった多面的アプローチによって進めていくものである. 本年度は,主として,記憶抑制機能については,Think/No-Thinkパラダイムを用いて,特に感情情報を伴った情報の意図的抑制について検討を進めた.感情価,覚醒度を操作した実験をこない,覚醒度の影響を見いだしたが,さらに検討を要する.また,展望的記憶における前頭前野のコントロール機能の関連を見いだした.検索誘導制忘却における抑制機能については,再認課題を用いて想起手がかりを操作し,干渉効果との違いを検討した.また,抑うつ傾向の高い人を対象にした抑制効果を検討した結果,抑制意図そのものの有無というメタ認知的要因の影響を見いだした.一方,コントロール機能の働かない自動的過程についても視覚的統計学習を用いて検討した結果,順序情報を潜在的に学習・記憶していることを見いだした. これらの認知的コントロール機能に関する研究成果について,次年度は学会でのシンポジウムで発表することを計画した.
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