2012 Fiscal Year Annual Research Report
認知的コントロールの基盤を探る:記憶抑制機能への多面的アプローチ
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21330168
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川口 潤 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70152931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北神 慎司 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00359879)
川合 伸幸 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (30335062)
齊藤 智 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70253242)
唐沢 穣 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90261031)
梅田 聡 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (90317272)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 記憶 / 抑制 / 認知心理学 / 認知科学 / 認知的コントロール / 認知神経科学 / 検索誘導性忘却 / 展望的記憶 |
Research Abstract |
本研究は,認知的コントロールの機能,すなわち必要な情報のみに注目し不要な情報を抑制するメカニズムはどのようなものなのかを明らかにすることを目的としている. 記憶抑制機能については,検索誘導性忘却およびThink/No-Thinkパラダイムを用いた意図的忘却について検討を行った.検索誘導性忘却研究では,学習段階に続く検索訓練段階において(手がかり再生),思い出すべき情報と類似した情報との競合が生じ,類似情報の抑制が行われると考えられており,再認など単に情報を提示するのみでは忘却が生じないと考えられてきた.しかし,競合情報が存在する場合には,再認課題でも忘却が生じることを見いだした.意図的忘却に関するThink/No-Thinkパラダイムを用いた研究の目的は人が不快な記憶を抑制できるかどうかという点である.これまでの研究では一般的な記憶研究で用いられる刺激(単語など)が中心であったが,重要な点は自分が体験した記憶の抑制が見られるかどうかとことであり,自己情報に関する意図的抑制を検討した結果,自己情報についても抑制が可能であることが示された.また,未来の記憶(展望的記憶)において検索誘導性忘却が生じることを見いだし,過去の記憶想起に関わる抑制機能だけでなく,未来の展望に関する抑制メカニズムを示唆する結果を得た. 加齢に伴う抑制機能の変化について,反応の抑制を反映するSimon課題および空間的に近接した情報の抑制を必要とするflanker課題実施中の脳機能を近赤外光(NIRS)を用いた手法によって検討した.その結果,高齢者は特に反応抑制機能が低下すること,また両課題が反映する脳領域は異なっているから,同じ抑制といっても異なるメカニズムがあることを明らかにした. 抑制に関わる認知的制御の背景ににあるエージェンシー感覚との関連から,身体感覚と情動機能との関連を示唆する結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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