2010 Fiscal Year Annual Research Report
音声・音響信号に備わる寸法恒常性による音脈分凝と音色知覚の時間追随性
Project/Area Number |
21330170
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
津崎 実 京都市立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (60155356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入野 俊夫 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20346331)
北村 達也 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (60293594)
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Keywords | 聴覚 / 声道長正規化 / 音声の個人性知覚 / 寸法情報知覚 / 音脈分凝 / 聴覚による情景分析 / 聴覚系の時間積分 |
Research Abstract |
研究の目的は,音響信号によって伝えられる寸法情報によって音脈分凝,即ち,耳に到達した段階では混在している信号を外界の音源に対応する成分にいかに仕分けて聞くことができるかについて,その機構を解明することにあった。本年度には,先導共振特性の違いに基づく寸法弁別の際に持続時間ならびに駆動音源の周期性の有無の影響について調べた。持続時間が16msのオーダーになる弁別精度の低下が観察される一方で,それ以上では特に持続時間の増大に伴う目立った精度の向上はなかった。駆動音源の周期線に関しては予想に反して雑音駆動に対する周期駆動の優位性は観察されなかった。寸法変化を知覚するための時間積分過程にとって必ずしも周期性は必須とは言えないことが示唆された。 また,これと平行して実施した共振特性上で其鳴体寸法の大小関係のみが異なる2つのインパルス応答を交互に呈示する母音音刺激を用いた実験についてはピッチが1オクターブ下がって聞こえる場合に,知覚処理上で寸法操作が異なるものとして扱われていると見なせる。これを基準とした閾値を図ったところ,従来より若干小さい値で弁別可能であることが示唆された。
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