2011 Fiscal Year Annual Research Report
若者の「理工系離れ」対策としての高校工学予備教育の国際比較研究
Project/Area Number |
21330174
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
横尾 恒隆 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (30220544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上里 正男 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (80193788)
角 和博 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80145177)
佐藤 史人 和歌山大学, 教育学部, 教授 (80324375)
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Keywords | 工学予備教育 / 国際比較研究 / 高等学校 / 日本:アメリカ:フランス |
Research Abstract |
平成23年度においては、平成22年度に収集した資料を分析するとともに、調査対象となった国の学校における工学予備教育の実態調査や国際学会出席による各国の科学技術教育に関する情報収集を行った。 1.横尾、角が、2011年11月にアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト周辺のミドル・スクール(中学校)、さらにはハイ・スクールの生徒がパートタイムで通学する地域職業センターでの実地調査を含め、ハイ・スクールでの工学予備教育のプログラムであるPLTWについて、その理論的な枠組みのみならず、その実態面も明らかにすることができた。このなかでPLTWは、ハイ・スクール(高校)レベルのみならず、ミドル・スクールレベルの技術教育を変革する指向を持つもつプログラムであることを明らかにすることができた。 2.それに引き続き横尾、角が同国ミズーリ州セントルイスで開催されたミシシッピヴァリ技術教員教育会議に出席し、アメリカにおける技術教育の動向、とりわけ教科「技術科」の「工学」「技術・工学」への変更をめぐる議論に関する情報を収集した。 3.上里、横尾が、2011年6月に、技術教育に関する国際会議であるPATT 2011(ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで開催)に出席し、(1)イギリスでは、技術教育に工作教育の伝統が根強い一方、(2)同国を含む欧米各国で、科学・技術・工学・数学を関連付けて教授するSTEM教育の必要性に関する議論が行われている等の情報を収集した。 4.2011年8月に、新潟で開催された技術教育研究会第44回全国大会において、上里と横尾が、フランスの技術教育に工学の要素が含まれている等の変化が起きていることについて報告した。 5.佐藤が2011年10月10日名古屋大学にて職業教育の資料収集及び協議を行った。 6.これまでの研究成果の交流と今後の研究計画立案のために、数回、横浜国立大学や和歌山大学で研究協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フランスやアメリカにおける高校レベルの工学予備教育の目的や実態については、両国の研究者から詳しくき取りを行っているほか、アメリカではミシガン州の中学校レベル、高校レベルの工学予備教育に関する実態調査を行ってきた。またアメリカのミシシッピヴァリ技術教師教育会議では、同国の教科「技術」への「工学」等への変更に関すい、またやロンドンで開催された「PATT 2011」では、西欧諸国のSTEM教育について、情報収集を行うことができた。以上の点から本研究は、着実に成果を上げているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、最終年度として、これまでの調査結果の補足的な調査を行う。同時に研究成果を、技術教育研究会、日本産業教育学会、米国のミシシッピヴァリ会議で発表し、論文として投稿するとともに、最終報告書としてまとめることとする。
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Research Products
(4 results)