2011 Fiscal Year Annual Research Report
学校外で生活する学齢期の子どもの発生メカニズムと就学支援に関する比較社会学的研究
Project/Area Number |
21330189
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
結城 恵 群馬大学, 教育学部, 教授 (50282405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 亘孝 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (40415831)
佐藤 由美 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80235415)
関戸 明子 群馬大学, 教育学部, 教授 (50206629)
岩瀧 大樹 群馬大学, 教育学部, 講師 (30615662)
牧原 功 群馬大学, 国際教育・研究センター, 准教授 (20332562)
|
Keywords | 不就学 / 外国籍児童生徒 / 就学状況 / エスノグラフィ |
Research Abstract |
本研究の目的は、外国籍の子どもの「不就学」「不登校」「託児所通所」が、どのようなメカニズムで発生するのか、そのメカニズムは、異なるエスニックグループでどう違うのかを解明することにある。本研究では、「不就学」「不登校」「託児所通所」に陥る原因は、「入学」「転入」「転出」「編入」など子どもが教育を受ける場の移動過程にあり、その様相はエスニックグループにより多様であるという仮説を立てた。そこで、本研究は、外国籍の子どもの<教育の場の移動過程>を多角的・重層的に描くエスノグラフィ調査をおこない、この仮説を検証する。そして、調査の結果をもとに、異なるエスニックグループの要請と地域の実情に応じる「公共性」に配慮した就学支援のあり方を検討し提示する。 平成23年度は、(1)「不就学」「不登校」「託児所通所」状況にある子どもの実態把握、(2)「不就学」「不登校」「託児所通所」状況にある子どもと子どもを取り巻く環境に関する調査の2つの調査を、調査対象地域でフィールド調査を実施した。実施するための基礎文献調査とネットワークづくりを行った。また、(2)群馬県から国内の他地域に転居したケースと、ブラジル本国に帰国したケースにあたり、子どもとその家庭を訪ね、ブラジル帰国外国人児童生徒の就学状況に関する現地調査を実施した。その結果を基に、「不就学」状況の再生/解消メカニズムに関する仮説を構築した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の実施時期に若干のずれが生じたものの各年度内の達成目標は到達している。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査対象者数が十分ではない点が課題となっている。その理由は、東日本大震災の影響があり、調査対象者の所在がつかみにくくなったこと(帰国や県外への転居等)、そもそも不就学児童生徒の所在を把握している機関・団体等がほとんどないことである。今後は、NPOや日本語教室等とのネットワークを拡充し、改善をはかりたい。
|