Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90302504)
磯山 恭子 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90377705)
佐藤 公 武蔵野大学, 教育学部, 准教授 (90323229)
熊田 禎介 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (90375519)
國分 麻里 筑波大学, 人間系, 助教 (10566003)
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Research Abstract |
本年度は,4年間に及ぶ研究3年目にあたるため,理論研究に関しては個別的に進めてきた研究の意見集約を図るとともに,実践研究に関しては平成24年度の本格的な実践に向けての基盤づくりを行った。なお,具体的な研究の成果は,以下の三点にまとめることができる。 第一に,研究会の実施である。学会(日本社会科教育学会第61回全国研究大会/北海道教育大学札幌校/2012,10.22-23)に全員が参集する機会があったので,その機会を利用して,理論研究の意見集約の方向性と実践研究の進め方に関して協議を行った。 第二に,理論研究の集約である。まず外国研究に関しては,多文化教育や環境教育などの,現代的な課題に対応してシティズンシップ教育に枠組みにおいて,社会参画に基づいた社会科授業の実施可能性が高いことを確認された。一方,歴史研究に関しては,戦前の公民教育或いは郷土教育において,さらには,戦後初期の初期社会科の時代において,それぞれ社会参画に基づく社会科授業が実践されてきたことが確認された。外国研究と歴史研究,両者の理論研究の成果から,社会科授業に社会参画の視点を導入することは決して困難なことではなく,社会参画を広く解釈すれば,あらゆる地域そして時代において,すでにあらゆる方法を用いて,社会参画に基づいた社会科授業は実践されているわけである。 第三に,授業実践における試行的な取り組みを実施した。大学院に協力してもらい,社会参画に基づいた社会科授業を昨年度から開始しているが,これを今年度も実施した。また,先に触れた日本社会科教育学会の全国研究大会において,研究分担者の唐木と佐藤は「課題研究:『社会参画』に基づく社会科授業のあり方―その歴史,これまでの成果,今後の課題―」にコーディネータと発表者として登壇し,社会参画に基づいた社会科授業の可能性を,他の発表者とともに確認する作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実践研究に関しては,新教育課程の開始により,全国各地のさまざまなところで社会参画に基づいた社会科授業が実施されるようになってきたため,その動きに合わせ,順調に成果をおさめている。一方,理論研究に関しては,個別研究を全体研究に集約する手続きが予想以上に難しく,検討の余地が残されている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
実践研究に関しては,今後も継続させ,さらにその輪を広げていく予定である。一方,やや遅れている理論研究に関しては,来年度(平成24年度)に刊行予定である報告書に向け,個別研究を全体研究へと集約する取り組みを加速させ,有意義が成果が得られるように努力するつもりである。
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