2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本語歌唱における指導手段及び表現素材としてのオノマトペの可能性に関する基礎研究
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21330206
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Research Institution | Sapporp International Junior College |
Principal Investigator |
河本 洋一 札幌国際大学, 短期大学部・幼児教育保育学科, 准教授 (50389649)
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Keywords | オノマトペ / 日本語歌唱 / 指導手段 / 表現素材 / ヒューマンビートボックス / ボイスパーカッション |
Research Abstract |
平成22年度の研究は、オノマトペが音楽表現の領域において、どのような用い方をすることがあるか検討を行い、それに基づく調査を実施した。 まず、音楽表現の領域におけるオノマトペの用法は、「音楽指導オノマトペ」と「音楽素材オノマトペ」の二つに分けることができる。そして、「音楽指導オノマトペ」について、今回は教授行為の分類上の「言語的メッセージ」(斎藤勉1986)という観点から調査を行った。その結果、「音楽指導オノマトペ」を次の三つの用法に整理することができた。(1)訓練的用法:オノマトペを発すること自体が、発声や発音等の複数の要素を包括的に伝えるトレーニングになる。(ニャーオ、カッコー等)(2)指示内容共有的用法:具現化が難しい事象をオノマトペで比喩的に表現することで、指導者と学習者がイメージを共有することができる。(キラキラ、ポーン等)(3)指示内容補足的用法:オノマトペによって指導内容をより強調したり、補足したりすることができる。(例:スッスッスッ等) 一方、今回の調査ではオノマトペの用法や意義と共に二つの問題点も明らかになった。一つは、オノマトペを用いた場合は、学習者は具体的に何がどう変化するかが分かりづらいという点、もう一つは、オノマトペを使った指導内容の保持力の検証をしていないという点である。この二点については、「スポーツオノマトペ」の先行研究を参考に、さらに研究を重ねていきたい。 なお、今年度の研究途中では、「ヒューマンビートボックス」と呼ばれる演奏スタイルや、「ボイスパーカッション」と呼ばれる演奏音についても扱うことになった。この二つに関しては、口から発せられる音という点において、共通している。本研究は今後「表現素材オノマトペ」の可能性を探っていくが、「ヒューマンビートボックスやボイスパーカッション」についても表現素材として視野に入れ、具体的な事例を多く示していく。
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Research Products
(1 results)