2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340005
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
並河 良典 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80228080)
|
Keywords | シンプレクティック特異点 / べき零軌道 / 双有理幾何 / ポアソン変形 / 接触幾何 |
Research Abstract |
シンプレクティック特異点Xが正荷重つきC^*_作用を持つと仮定する。さらにシンプレクティック形式も正荷重を持つものとする。複素単純リー環のべき零軌道閉包、Slodowy切片、Hamilton-作用を持った複素シンプレクティック多様体のシンプレクティック簡約などがこのような特異点の例である。平成23年度は、つぎの3つのトピックについて研究した。 (i)シンプレクティック超曲面の構成 (ii)シンプレクティック特異点の同値性 (iii)完全交差型シンプレクティック特異点の構造 (i)は、Lehn,van Straten(独、マインツ大),Sorger(仏、ナント大)との共同研究である。この研究では、シンプレクティック超曲面の幾つかの異なった構成を与えた.具体的には、Slodowy切片としての構成、sl(2)-表現を用いた構成、unitrivalent graphから決まるシンプレクテイック簡約による構成などである。(ii)では、ダルブーの定理の一般化をシンプレクティック特異点に対して考えた.(iii)では、アファイン空間の中で斉次多項式の完全交差として得られるシンプレティック特異点の構造定理を証明した.主結果は、このような特異点は、複素半単純リー環のリチャードソンべき零軌道になるというものである。証明には、接触幾何と森理論を用いる。実は、このような特異点は、複素半単純リー環のべき零多様体に他ならないと予想しており、現在研究中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シンプレクティック超曲面の分類に関してはまだ完成にいたっていないが、完全交差型シンプレクティック特異点の構造定理が接触幾何を用いて証明された。当初は予想していなかった新しい展開が始まりつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
アファイン空間の中で斉次多項式の完全交差として得られるシンプレクティック多様体は、複素半単純リー環のべき零多様体に限るという予想を証しようと考えている。さらに、斉次多項式を擬斉次多項式に一般化すると、特異点つきの接触多様体が自然に現れる。このような対象も研究していきたい。
|
Research Products
(7 results)