2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340006
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
西山 享 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 教授 (70183085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 久義 東京大学, 数理学研究科, 准教授 (50272597)
山下 博 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30192793)
落合 啓之 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (90214163)
和地 輝仁 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (30337018)
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Keywords | 旗多様体 / 冪零軌道 / 対称空間 / モーメント写像 / 随伴多様体 |
Research Abstract |
本研究課題で2009年度に得られた成果は大きく分けて3つある。 (1) 代表者はP. Trapa, D. Ciubotaru(ユタ大学)と共に部分旗多様体上の対称部分群による軌道とモーメント写像による冪零軌道の間の対応をSpringer表現を用いて記述できることを示した。この結果はプロシーディングス(査読付)に受理されて出版予定である。 (2) 代表者と分担者の和地輝仁は対称対の冪零軌道の幾何(閉包関係・余次元1の境界に関する連結性など)を組合せ論的観点から研究し、特にAIII型の対称対の場合に冪零軌道の連結成分の組合せ論的記述に成功した。結果はまだまとまった論文の形になっていないが、2010年度にさらに深化させて取りまとめる予定である。 (3) 代表者と分担者の落合啓之は対称対に付隨した多重旗多様体の場合に対称部分群の軌道が有限になるための実用的な十分条件をいくつか開発した。この結果を球多様体の理論に応用したり、あるいはこれらの十分条件を用いて、AIII型の対称対の場合に有限型の多重旗多様体の分類を研究した。結果は論文にまとめて、現在投稿中である。 2009年6月に南開大学(中国)で行われた夏の学校には代表者および分担者の山下博が講師として招かれ、代表者は旗多様体の軌道とSteinberg多様体、あるいはモーメント写像などの概説的な講演を行い参加者と意見を交換した。これがその後の研究と成果へと発展していった。その後、表現論シンポジウムでは、分担者の和地輝仁による講演や分担者の松本久義との討論を行い、さらに2010年の2月に北海道大学で山下博と共同で冪零軌道と表現論に関する研究集会を行った。この集会には海外からも多数の専門家が参加し、若手研究者も最新の結果を紹介する有意義なものであった。本研究課題により、部分旗多様体上のD加群の理論を研究している若手の研究者Sarah Kitchenを招聘した。
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Research Products
(17 results)