2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340006
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
西山 享 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70183085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和地 輝仁 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (30337018)
落合 啓之 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (90214163)
谷口 健二 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (20306492)
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Keywords | 旗多様体 / 冪零軌道 / 対称空間 / モーメント写像 / 随伴多様体 / 多重旗多様体 / 球多様体 |
Research Abstract |
本研究課題で2011年度に得られた成果は大きく分けて3つある。 1.代表者と分担者の和地輝仁は随伴多様体に現れる冪零軌道の余次元1連結性について昨年度に引き続き研究した。Peter Trapa(Univ.Utha)の協力を得て、AIII型の対称対については組合せ論・表現論ともに完全な結果を得た。他の対称対については幾何的・組合せ論的側面は完全であるが、表現論的な考察が残っている。3月にはシンガポールでD.Vogan教授(MIT)と討論を行い、余次元1連結性の表現論的な意味づけが明瞭になった。これについては2012年度に研究を行う予定である。 2.代表者と分担者の落合啓之およびXuhua He(HKUST),大島芳樹(東大数理)は、対称対の二重旗多様体の軌道の分類に関する結果を得た。これを用いて新たなタイプの球等質空間と対称部分群の球作用を持つ旗多様体の分類ができるはずであり、現在活発に研究を行っている。結果は6月にDubrovnik(クロアチア)で、8月にはMax-Planck研究所(ドイツ)そして3月にIMS(シンガポール)で発表した。多重旗多様体についてはSteinberg多様体とモーメント写像および冪零軌道の幾何に関してLucas Fresse(Univ.Cergy-Pontoise)と共同研究を行った。こちらは現在も研究が進行中である。 3.代表者と分担者の落合啓之・谷口健二に加えて近藤健介(青学大)は昨年度から継続して、多重旗多様体上の閉軌道と放物型部分群の共役類に関する研究を行った。この研究ではある種の放物型部分群の組が存在することと対称対がエルミート型であることの同値性を証明することができ、現在論文をまとめている。結果は11月に表現論シンポジウムで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記した3つのテーマともに十分な結果が得られ、現在論文を執筆中である。特に2.の球作用の分類に関する結果と3.のエルミート対称空間との関係は当初予期しなかったものであり、順調に研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
多重旗多様体に関係する球多様体の分類問題をまず完成し、論文にまとめる。その後モーメント写像に関する研究をL.Fresse(Univ.Cergy-Pontoise)と共に推進する。また冪零軌道の軌道グラフを例外型群の場合に計算機を用いて解析を進めたい。表現論的に余次元一の連結性が結論できるかどうかも検討したい。多重旗多様体上の軌道の分類を他の空間における群軌道の問題へと応用すること、情報理論への応用について考えたい。これを最終年度に向けて完成できるよう研究を総体的に推進する。
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Research Products
(8 results)