2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 保 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (20211716)
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Keywords | 保型形式 / 調和解析 |
Research Abstract |
池田保(研究代表者)と平賀郁(連携研究者)は2次の特殊線型群のn重被覆群上の保型表現の研究を始め、いくらかの成果を得ている。すなわち、n重被覆群の跡公式の楕円項の安定化を与え、研究集会で口頭発表を行っている。とくに重要な成果としては、代数群上の跡公式の安定化の場合、安定項は1つしか現れないのであるが、被覆群上の跡公式の安定化の場合は2つ以上の安定項が現れることがあげられる。このような被覆群の跡公式の安定化は一般線型群など結果的に自明となる場合以外は、初めてではないかと思われる。引き続き、一般的な簡約群の被覆群上の跡公式を理解するため研究チームはさらに研究を続けている。 平賀郁はまた日本数学会の特別講演でエンドスコピーとラングランズ・プログラムに関する特別講演を行った。また市野篤史(連携研究者)との共同研究で移送因子に関する研究を進め、研究集会で成果発表の講演を行っている。 吉田敬之(連携研究者)はアルティンL函数の微分値と保型形式の周期に関する研究、モチーフ的ガロア群の研究などを行い、国際研究集会で招待講演を行っている。 市野篤史は保型形式の周期に関する研究で注目すべき成果を上げている。とくに、カリフオルニア大学のサンディエゴ校のW. T. Gan氏との共同研究では明示的周期公式に関する研究を進めている。
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Research Products
(17 results)