2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 保 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20211716)
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Keywords | 保型表現 / 保型形式 / ヒルベルト保型形式 / ジーゲル保型形式 |
Research Abstract |
半整数の重さをもつ一変数の保型形式の空間にはコーネンプラス空間といわれる特別な部分空間が定義される。この空間に属する保型形式は指数がmod 4で平方数でないような指数を持つフーリエ係数が消えるという条件で特徴づけられる。またこの空間は整数の重さを持つ一変数の保型形式の空間とヘッケ同型である。最近,ロークとサヴィンはコーネンプラス空間を表現論的に解釈する結果を発表した。彼らの手法により総実代数体上のヒルベルト保型形式に対してもコーネンプラス空間を定義できる可能性があると考えられる。本年度は主としてこの観点に基づき研究を行い,必要となるヴェイユ定数の計算などを行った。この結果は論文を執筆中である。 これらの研究を遂行するために多数の書籍を購入した。また、計算機環境の整備のため、計算機周辺機器を購入した。 8月には北京で開かれたアジア数論研究集会に参加して研究発表を行った。また9月には箱根で開かれた整数論サマースクールに参加した。10月には大阪大学の伊吹山氏が白馬村で開催した保型形式の研究集会に参加した。さらに平成23年1月には数理解析研究所で開かれた保型形式の研究集会に参加した。平成23年2月には九州大学で開かれた研究集会に参加し研究発表を行った。平成23年3月にはシンガポールで開催された研究集会に参加して研究発表を行った。また平成24年度繰り越し分により国立台湾大学のMing-Lun Hsieh氏を招へいした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒルベルト保型形式に対するコーネンプラス空間を定義することができ、その基本的な性質を証明した。 また、いくつかの研究集会に参加してこれらの成果について研究発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究としては、まずコーネン・プラス空間に関する論文を仕上げて投稿することが第一の目標である。すでに第一部はほぼ完成しているが、跡公式を応用する部分からなる第2部は現在執筆中であるので、この二つの論文を仕上げて投稿したい。 また、一般の簡約代数群の被覆群の跡公式を考察するため、平賀郁氏との共同研究を進める。このために関連分野の研究者とともに小研究集会を開催する予定である。 九州大学の今野拓也准教授とは保型表現に関する共同研究を進めており、今野氏とは複数回、小研究集会を開催する予定である。 8月には台湾で開かれる保型形式に関する研究者の研究集会に参加する予定である。 また、9月には熊本県で開かれる整数論サマースクールに参加予定である。さらに室蘭工業大学の桂田英典教授との共同研究として、11月には長野県白馬村で保型形式に関する国際研究集会を開催する予定である。また、平成25年1月には数理解析研究所で研究集会が開かれるのでそれに参加する予定である。
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Research Products
(3 results)