2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340012
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栗原 将人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40211221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 克弘 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40213722)
田中 孝明 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (60306850)
坂内 健一 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (90343201)
松野 一夫 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (40332936)
八森 祥隆 東京理科大学, 理工学部, 講師 (50433743)
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Keywords | 岩澤理論 / Tate Shafarevich群 / Selmer群 / Fittingイデアル / 国際研究者交流 / イギリス |
Research Abstract |
岩澤理論の中核をなすのは、いわゆる岩澤主予想と呼ばれる関係である。すなわち、イデアル類群などの数論的に非常に重要な群へのGalois群の作用から決まる特性多項式が、p進L関数というゼータ関数のp進解析的な対象と一致する、というものである。われわれの研究の目的は、イデアル類群やSelmer群などのGalois群の作用をこめた加群の構造を、岩澤主予想よりもずっと詳しい精密な形で、ゼータ関数もしくはp進ゼータ関数から取り出せる、という理論を構築することである。昨年度は、楕円曲線のTate Shafarevich群の構造についての定理を、通常還元の場合に、完全な形で証明することに成功した。証明を整理していく過程で、MazurとRubinによるorganizing行列が自然に現れ、p進高さpairingとこの理論が結びついていることを証明することができた。つまりわれわれの構造定理は、Casselsのpairingおよびp進高さpairingの両方と関係している。また、さまざまな数値例も得られた。さらに、自己双対でない通常還元のp進表現に対して、円分Z_p拡大上の岩澤加群のSelmer群に対して、いくつかの条件の下、その高次Fittingイデアルをp進ゼータから得られる元で完全に決定した。また、イデアル類群の0次Fittingイデアルについても、さまざまな研究を行った。具体的な数値例もいろいろ計算し、Stickelberger元がFittingイデアルに入るかどうか、という問題(Brumer予想の強い版)の双対版に対して、それが一般には成立しないことを確かめ、その実例も与えた。イギリスのCambridge大学に滞在して、この研究に関するさまざまな研究討論も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記のように、昨年の交付申請書の研究実施計画で述べた問題を完全に解決することに成功し、さらには新しい展開も得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの計画通りの方法で推進していく。
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