2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340013
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 孝男 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00182444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90235507)
磯崎 洋 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
永野 幸一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30333777)
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Keywords | 崩壊 / スペクトル逆問題 / プラス・ベルトラミ作用素 |
Research Abstract |
断面曲率の絶対値と直径が一様に有界なn次元リーマン多様体と正規化されたリーマン測度の対の成すモジュライ空間の、測度つきGromov-Hausdorff収束位相に関するコンパクト化集合において、スペクトル逆問題を考察した(Y.Kurylev, M.Lassas両氏との共同研究)。このモジュライ空間に族する多様体上のラプラス・ベルトラミ作用素は、極限空間上のある自己共役作用素にL^2の意味で収束する(深谷)。まずはじめに、このモジュライ空間のサブジュライ空間として、局所距離球の体積増大度がある条件を満たす場合極限がオービフォルドになることに着目して、このサブジュライ空間の閉包に族するオービフォルドおよび自己共役作用素に対してスペクトル逆問題の一意性を示した。ここで考察するスペクトルデータはある領域上の熱核である。スペクトル逆問題の定性性を議論する為には、基点を設定してその回りの観測半径を設定する必要がある。基点の回りの観測半径を半径とする距離球内の十分稠密な有限個の点および時間において熱核スペクトルデータを観測し、二つの熱核スペクトルデータがある意味で十分近い二つの空間のGromov-Hausdorff距離が近いことが示された。その後、局所距離球の体積増大度に関する条件を取り去り、一般のモジュライ空間に対して上記結果を拡張することに成功した。現在論文準備中である。 この研究を遂行する上で、4月のつくば、9月のヘルシンキ、12月のロンドンでの共同研究が大変役立った。 2月に筑波大学で開催した研究集会「リーマン幾何と幾何解析」において結果のみ発表した。
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Research Products
(4 results)