2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340013
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 孝男 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00182444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 幸一 筑波大学, 数理物質系, 講師 (30333777)
磯崎 洋 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90111913)
塩谷 隆 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90235507)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 崩壊 / アレクサンドロフ空間 / スペクトル逆問題 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
三石史人氏(東北大学理学研究科学振研究員PD)との共同研究により纏めた、3次元の閉じたアレクサンドロフ空間の崩壊理論に関する論文の、Tansaction American Mathemaical Society からの出版が受理された。また境界をもつ3次元のアレクサンドロフ空間の崩壊理論にも大きな進展が見られた。来年度に論文完成を目指す。また一般次元の曲率が下に有界なアレクサンドロフ空間の局所リプシッツ可縮性について、三石氏との共同研究により証明することができた。この結果によりアレクサンドロフ空間のリプシッツ構造について、少なくともホモトピー的にはいろいろな議論が出来る状況を作ることが出来た。すなはちこの結果は、アレクサンドロフ空間内の極小曲面の存在問題や、単体的体積など、広く応用することが出来る。 平成23年度に引き続き、断面曲率の絶対値と直径が一様に有界なリーマン多様体と正規化されたリーマン測度の対の成すモジュライ空間の、測度つきグロモフ・ハウスドルフ位相に関するコンパクト化集合におけるスペクトル逆問題を考察した(ヤロスラフ・クリレフ、マチ・ラサス両氏との共同研究)。本年度の研究で論文プレプリントがまとまり、アーカイブに掲載することができた。さらに3月下旬にストックホルムのミッタク・レフラー研究所に滞在し、クリレフ、ラサス両氏と、スペクトル情報と空間崩壊の階層構造の関連性について有意義な討論を通じて、今後の更なる共同研究の方向性を打ち出すことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三石氏との共同研究である3次元アレクサンドロフ空間の崩壊理論が順調に進展している。また同じく三石氏との共同研究であるアレクサンドロフ空間の局所リプシッツ可縮性に関する研究や、更なる研究の進展が十分見込める。
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Strategy for Future Research Activity |
三石氏との共同研究により、アレクサンドロフ空間の局所リプシッツ可縮性に関連して、リプシッツ構造に関して更なる可能性を追求したい。また境界をもつ3次元のアレクサンドロフ空間の崩壊理論も完成させなければならない。来年度に論文完成を目指す。境界つきリーマン多様体の崩壊理論の突破口を開くことも今後の研究の大きな課題である。
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Research Products
(2 results)