2009 Fiscal Year Annual Research Report
特異渦構造の運動を通した流体乱流現象の力学と統計の高次結合
Project/Area Number |
21340017
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂上 貴之 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (10303603)
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Keywords | オイラー方程式 / 点渦系 / 点渦統計力学 / 位相正則化 / クゥエット流 / Euler-α方程式 / 一様等方乱流 / 衝突多様体 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に基づいて以下の研究成果を得た.1.点渦系の非線形力学と統計理論について,(1)点渦平均場近似方程式sinh-Poisson方程式の数値解析手法を確立し,領域の連結性や配置,また点渦極限でのconcentration compactnessの様子などを詳細に調べた.(2)球面三点渦の有限時間衝突解に対して衝突多様体を定義し,その位相的正則可能性について調べた.その結果衝突多様体の近傍では平面三点渦衝突解と力学が同じであることがわかった.2.二次元オイラー方程式と渦層乱流の研究については,近年その存在が指摘されている平面Couette流における非自明定常解の存在について時間発展問題の数値解としてそれを強くサポートする結果を得た.3.超流動乱流とGP方程式については,超流動乱流が我々のターゲットとする枠組みでは扱えない問題であるいうことが次第に明らかになった.一方で,流体粒子の軌道平均をとることで得られる分散項を含む流体方程式(Euler-α,Navier Stokes-α方程式)が本研究課題を扱うモデル方程式として有益であるということがわかり,サブプロジェクトCの対象をこちらに変更することを検討中である.4.「乱流とオイラー方程式の散逸的弱解」に関するサーベイノートは随時連携研究者と議論を進めてきたが,議論の進行とともに非線形偏微分方程式に対する乱流場の数学的定式化に関して確率過程論に基づく公理論的な乱流場の定義の提唱へと理論が深まっている.この概念をより数学的に確かなものとすることに時間がかかり,未だ原稿は完成には達していないが,本概念への到達は本研究課題において極めて重要なものである
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Research Products
(3 results)