2012 Fiscal Year Annual Research Report
特異渦構造の運動を通した流体乱流現象の力学と統計の高次結合
Project/Area Number |
21340017
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂上 貴之 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10303603)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 乱流 / 散逸的弱解 / 点渦系 / 衝突解 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に基づき以下の成果を得た.(1)三次元一様等方乱流とオイラー方程式の散逸的弱解の関係について,Karman-Howarth-Monin関係式をエネルギー散逸率の公理として採用することで,これまでに得られている数学的結果を合理的に再構成した.その理論に基づけばオイラー方程式の散逸的弱解が乱流場サンプルの候補になっているという視点を得ることができた.(2)三次元渦度方程式の一次元モデル方程式であるDeGregorio方程式の数値計算を4月に雇用した博士研究員とともに集中的に進めた.その過程で,様々なパラメータ領域で解の爆発が起こりうるという数値的傍証を得たため,その特徴づけに関する数値的研究を進めた.その結果,倍精度数値計算では困難であるとの結論に達し,多倍長計算コードへ拡張することとなった.この数値結果を踏まえた偏微分方程式の弱解と統計則の関係の検討は今後の課題である.(3)オイラー方程式の分散型正則化方程式であるオイラーα方程式に対して,初期渦度がδ関数となっている場合のα点渦系の数値的研究を継続した.まずは,ある特殊な初期値とパラメータ条件で発見した三点渦衝突による特異エンストロフィー散逸現象について,初期値やパラメータを変更した時にもα→0の極限で同じようなエンストロフィー散逸が起こりうることを示した.これは,α=0に対応する点渦系の挙動とは全く異なる挙動であり,α→0の極限解が二次元乱流の統計性質を考える上での二次元オイラー方程式のエンストロフィー散逸弱解として重要であるということがはっきりしてきた.その後,この衝突解をN体問題に拡張して数値計算行っているが,初期値の設定がうまくいっておらず今後の検討課題となった.本計画はこれが最終年度であり,散逸的弱解と乱流の関係について重要な結論を多く得た一方で,さらに研究するべきテーマも多く発見できた.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)