2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340023
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長山 雅晴 金沢大学, 数物科学系, 教授 (20314289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 聡 広島大学, 理学研究科, 教授 (50217741)
北畑 裕之 千葉大学, 理学研究科, 准教授 (20378532)
中村 健一 電気通信大学, 情報理工研究科, 助教 (40293120)
齋藤 宣一 東京大学, 数理科学研究科, 准教授 (00334706)
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Keywords | スポットパターンダイナミクス / 体積保存条件付き反応拡散系 / 液滴のブレビング運動 / 数理モデル / 振動運動 / 樟脳船 / 応用数学 |
Research Abstract |
本年度は,化学反応を伴わないにも関わらず振動運動を起こすOHP樟脳船の運動を理解するための数理モデルの構築と反応によるゲル化を伴う液滴のブレビング運動を理解する数理モデルの構築を試みた. OHP樟脳船の振動現象に対しては,数理モデルを構築することによって,OHPシート下での樟脳分子の拡散が水面での拡散係数より十分小さいことと樟脳船の水から受ける抵抗として粘性抵抗と慣性抵抗があることを示唆した.数理モデルの構築によりOHP樟脳船の振動現象の本質的メカニズムがOHP下での拡散と水面での拡散の比が異なることであることを明らかにした. ブレビング運動を起こす液滴運動の数理モデルを構築するための前段階として,体積保存条件付きフェーズフィールド方程式(V-PF)を用いて液滴の表現を行った.このモデル方程式から液滴の表面張力を弱めるゲルが生成されると仮定した反応拡散系モデルを構築し,このモデルにおいてどのような液滴ダイナミクスが見られるのか数値計算によって調べた.その結果,初期体積に依存して,定常解や並進運動する解以外に,ジグザグ運動解,往復振動する解,勾玉回転解,方向転換解,アメーバ解等のこれまでの反応拡散系には現れなかった新しいダイナミクスを発見した.このような解が現れる要因を明らかにするために,表面張力関数形を変化させて数値計算を行っている. 今年度は,前年度の数理モデルを拡張することによってブレビング運動の数理モデルの構築を行う予定である.また,現在の数値計算方法では分裂した液滴の体積を保存することができていないが,分裂した複数液滴の個々の体積を保存するような数値計算法も開発する.
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Research Products
(6 results)