2009 Fiscal Year Annual Research Report
最適化問題の記号代数解法のための実代数幾何の代数計算理論の展開
Project/Area Number |
21340025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
穴井 宏和 Kyushu University, 産業技術数理研究センター, 教授 (20417520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 和弘 立教大学, 理学部, 教授 (30333454)
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Keywords | 記号・代数計算 / パラメトリック最適化 / 記号的最適化手法 / 実代数幾何 / 限量子消去 / グレブナ基底 |
Research Abstract |
ものづくりにおける設計をはじめとして、実世界の広範な問題は「最適化問題」として捉えることができるため最適化問題を解く方法論の革新的発展が世の中にもたらすインパクトは非常に大きいと言えます。本研究を通じて、「記号・代数計算に基づく最適化手法」に着目します。これにより従来の数値的最適化手法では困難であった非凸問題の大域的最適解を正確に導くことやパラメトリックに問題を解くパラメトリック最適化が可能となります。本研究では、記号・代数計算に基づく最適化手法の限量子消去(QE)やグレブナ基底の計算法に基づいた新しい効率的な最適化手法の開発を試みます。本年は、1.数値・数式ハイブリッド計算技術による効率的なQEアルゴリズムの開発と2.実問題の構造を活用した効率的な最適化アルゴリズムの開発を中心に研究を進めました。 1. では、QE計算において隘路となる代数拡大体計算にDynamic evaluationを適用した方式に精度保証付き数値計算を融合した手法を提案しその実装を行い国際会議SNC2009で発表しました。 2. では、制御理論におけるいくつかの重要な問題に対して代数的手法を導入した新しい方法論を提案し国際会議、国際雑誌で発表しました。具体的には、リカッチ方程式の代数的解法(国際会議ISSAC2009)、数値数式ハイブリッド最適化によるH2制御での制御器設計法(国際会議MSC2009)、多項式スペクトル分解の代数的手法(Journal of Symbolic Computation)など。 また、世界的なQEの研究者や代数計算の研究者を招へいし、代数的最適化手法の効率化に向けた詳細な議論を集中的に行いました。これにより、数値・数式ハイブリッド計算や多目的最適化問題への適用について今後の方向性を策定しました。
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Research Products
(14 results)