2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340028
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
磯崎 洋 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
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Keywords | 多様体 / リーマン計量 / S行列 / 逆問題 / DN写像 |
Research Abstract |
多様体上での超局所解析の応用としてコンパクトリーマン多様体上での放物型方程式の基本解を時間区分法によって構成した。J.Le Rousseaauとの共同研究になるこの結果はComm.in PDEに掲載された。 非コンパクト多様体上の逆散乱問題の重要な例として任意のコンパクト部分に柱状領域に漸近する非有界端(end)を付随させた多様体を研究した。これは実生活ではガス・油等へのパイプライン等の重要な応用がある。一つのendに対応するS行列が一致するとき,このような2つの多様体は等長であることを証明した.Yaroslav Kurylev, Matti Lassasとの共同研究によるこの仕事はJournal of Functional Analysisに掲載されることが決まっている。またAharonov-Bohm効果に関連して2次元空間において磁場を持つシュレーディンガー作用素の逆散乱問題を考え、凸物体の外部領域においては磁場のベクトルポテンシャルのゲージ不変性とS行列のゲージ不変性が同値であることを示した。Gregory Eskinとの共同研究であるこの仕事はComm.in PDEに掲載されることが決まっている。さらにEITに関連した有界領域での逆問題の数値計算の研究を進め、境界の一部での観測データから物体内部の包含物の位置を特定する3次元数値計算を成功させた。直方体の底部の一部分での境界データから直方体内部の包含物の位置を計算し可視化することができた。Ide, Nakata, Siltanenとの共同研究であるこの結果はInverse Problemに掲載されることが決まっている。
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