2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340030
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
重川 一郎 京都大学, 理学研究科, 教授 (00127234)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90234509)
杉田 洋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50192125)
|
Keywords | スペクトルギャップ / マルコフ性 / 生成作用素の一意性 / 半群 / 凸集合の保存 / 非対称拡散過程 / リーマン多様体 / 超過函数 |
Research Abstract |
代表者による研究は以下の通りである。まずリーマン多体上の非対称な拡散作用素に対する一意性の問題を考察した。生成作用素は、A=Δ+bの形のものを考え、L^2の場合とL^pの場合とで十分条件をドリフトbの発散の有界性と内向き増大度が距離に関して線形という形で与えた。方法的にはGaffneyが行った近似の手法によるがドリフト項の処理のための工夫が新たに必要となった。この結果を利用して、生成作用素の定義域の決定も行った。この場合重要となるのは、生成作用素Aと共変微分∇との交換関係である。これを利用することにより、2階微分可能性とbでの可積分性の条件を分離することができる。その他にもBanach空間における半群が凸集合を不変にするための条件の考察を行い、必要十分条件を求めた。これは抽象的な一般論として定式化したが、凸集合を変えると従来のさまざまな判定法を統一的に取り扱うことが可能になった。 分担者の熊谷隆氏は、ある種の非対称マルコフ連鎖について、熱核のガウス型評価と放物型ハルナック不等式を証明した。この結果を用いて、非対称な一様楕円型divergence formを、非対称なマルコフ連鎖で近似する方法を導きだした。また、杉田洋氏はコルモゴロフらの乱数理論およびブラムらの疑似乱数の理論を基にモンテカルロ法の新しい数学的定式化を与えた。その結果とくにモンテカルロ積分の場合は安全な疑似乱数の存在を示し、その実用化を行った。
|
Research Products
(5 results)