2009 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム行列、統計物理に動機づけられた無限次元確率力学系
Project/Area Number |
21340031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長田 博文 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 教授 (20177207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
白井 朋之 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (70302932)
種村 秀紀 千葉大学, 理学研究科, 教授 (40217162)
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Keywords | 統計物理 / ランダム行列 / logガス / 無限次元確率力学系 / 拡散過程 / 干渉ブラウン運動 / random point fields / クーロンポテンシャル |
Research Abstract |
長田博文は、Ginibre干渉ブラウン運動のtagged粒子が、劣拡散的な挙動をすることを証明した.この結果の興味深い点は、通常扱われるRuelleクラスの相互作用ポテンシャルに関する確率力学系のtagged粒子が、2次元以上では常に拡散的漸近挙動をするという事実と、著しい対比を見せている所である.また、Ginibre点過程、Dyson点過程、および、Bessel点過程といったランダム行列に関する代表的な測度(random point fields)に対して、部分積分公式を確立し、その対数微分を計算した.更に、これらの測度(平衡分布)に対応する無限次元確率力学系を記述する確率微分方程式を求めて、解いた.以上の結果を得るために、一般論を構築し論文としてまとめた. 舟木直久は、2次元ヤング図形の時間発展モデルを構成し,そのスケール極限として現れる境界曲線の運動を記述する非線形偏微分方程式を導き,その定常解はVershik曲線になることを示した. 種村秀紀は、一般の初期値に対して、ダイソン模型のバルクスケーリングおよびソフトエッジスケーリング極限で得られる無限粒子系を構成し、その性質を調べた. 白井朋之は、有限グラフ上のグラウバーダイナミクスのスペクトルギャップはカップリングパラメーターに関して単調であるという予想(未解決)が知られているが,もう少し強く,固定した時間におけるスピンの期待値もカップリングパラメーターに関して単調であるという予想には反例があることを示した.
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Research Products
(21 results)