2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國府 寛司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50202057)
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Keywords | 力学系 / 分岐 / 大域的構造 / 位相計算的方法 / 大自由度系 |
Research Abstract |
平成22年度は,それまでの研究結果を踏まえて,新たな課題として,(A3)回帰的不変集合の構造の新しい解析法の開発,(B3)大域的分岐構造の検証法の整備,についての研究に重点をおいて研究を進めた. 課題(A3)は(A2)回帰的不変集合の内部構造の解析,を発展させるもので,(A1)力学系のMorse分解を用いた位相計算的方法の整備,で開発した相空間の大域的構造の位相計算を回帰的不変集合の一部に対して適用することで,ある具体的な結合力学系の回帰的不変集合におけるヘテロクリニックサイクルの存在を得ることができた.この方法は今後更に検討して,より広い範囲の力学系に適用できる形に整備して行く予定である. 課題(B3)では,多くの実例に対する大域的構造や分岐の位相計算を行うことで,様々な大域的分岐現象に対しての位相計算的な検証を試みるとともに,その検証の理論的な方法の整備を進める.特に,ここでは2パラメータ以上の高次元パラメータ空間にみられる余次元の高い分岐現象の位相計算的取り扱いに重点をおいて研究を進める.
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