2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340035
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國府 寛司 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50202057)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 力学系 / 分岐 / 大域的構造 / 位相計算的方法 / 大自由度系 / 計算機援用解析 / カオス / Morse分解 |
Research Abstract |
本研究計画の主な目的は,力学系の大域的ダイナミクスの理解に重要な力学系の大域的構造やその分岐についての知見を深めることと,それを応用して,具体的な非線型現象の数理モデルとして現れる力学系,特に大自由度力学系の振舞いに対するより良い理解を得ようとすることであった. 平成24年度は,これまで取り組んできた各課題について,不十分な点を補いつつ,得られた成果の取りまとめを行った.特に重要な成果として,まず,ダイナミクスの大域的構造を位相幾何的方法と計算機援用解析を融合して調べる Conley-Morse グラフの方法と呼ぶものについて新たな改良を行ったことが挙げられる.ここでは,隣接するパラメータ領域について得られた Conley-Morse グラフの間の関係を示す clutching graph を計算機を用いて求めるアルゴリズムを開発したことと,相空間を非一様にグリッド分割することで計算コストを軽減する工夫が新し得られた.また,Conely-Morse グラフの変化を通してダイナミクスの構造の変化を捉える理論的枠組みとしての位相計算的分岐理論の研究を行い,局所的分岐である saddle-node 分岐と,大域的分岐である crisis 分岐について,それらを位相計算的視点から捉える新しい数学的定式化を得た. さらに Conley-Morse グラフの方法の応用として,大自由度系の例として取りあげられる結合写像系 CML や結合振動子系に対する大域的ダイナミクスの解析を行い,Conley-Morse グラフの方法で不安定な不変トーラスなどの不変集合とそれらの間の結合関係が捉えられることを確認し,その有用性を検証した.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)