2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340036
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山田 泰彦 Kobe University, 大学院・理学研究科, 教授 (00202383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野海 正俊 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 教授 (80164672)
太田 泰広 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10213745)
齋藤 政彦 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80183044)
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Keywords | 可積分系 / パンルヴェ方程式 / ラックス形式 / 代数曲線 / 楕円差分 |
Research Abstract |
本研究の目的は、離散可積分系の(代数)幾何学的な方法による研究である。特に、離散パンルヴェ方程式のラックス形式の構成と、その応用を主要な目的としている。本年度の交付申請書の研究実施計画に記載した具体的な研究計画は次の2点であった。 (計画1)アクセサリーパラメータを含むパデ補間問題の構成とその離散パンルヴェ方程式への応用。(計画2)E8型楕円差分パンルヴェ方程式のラックス形式の構成。 (計画1)に関しては、6個の任意パラメータを含むある種のパデ補間問題を考察し、E8型パンルヴェ方程式と関連するものを見いだした。この結果は、E8型楕円差分パンルヴェ方程式の行列式型超幾何解への応用も期待され、その完成に向けて研究を進めている。 (計画2)に関しては、交付申請書に記載したアイデアに基づき、楕円差分の場合を含む離散パンルヴェ方程式のラックス形式の幾何学的な特徴づけによる構成を行った。この結果は論文"A Lax formalism for the elliptic difference Painleve equation"として発表した。これにより、方程式の発見以来10年に及ぶ懸案に解決を与えた。 また以上とは別に、これらと関連する研究として次の2点の結果を得た。 (あ)国場敦夫氏・坂本玲峰氏と共に、超離散可積分系の典型である箱玉系の研究を継続し、一般化されたエネルギー関数を構成した。これは、A型の場合の結果をD型へ拡張する上で重要と考えられる。(い)粟田英俊氏と共に、4次元超対称ゲージ理論と2次元共形場理論との関運(Alday-Gaiotto-Tachikawa予想)に関して研究し、そのq-類似版を提唱した。
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Research Products
(6 results)