2010 Fiscal Year Annual Research Report
すばる望遠鏡が俯瞰する銀河団における星形成活動の空間分布と時間発展
Project/Area Number |
21340045
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
児玉 忠恭 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (80343101)
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Keywords | 光学赤外線天文学 |
Research Abstract |
すばる望遠鏡の共同利用観測時間の獲得と実行:21年度に作成した(および既存の)すばる望遠鏡のMOIRCS(近赤外カメラ)の狭帯域フィルター計7枚と、Suprime-Cam(可視カメラ)の既存狭帯域フィルター1枚とを用いて、銀河が激しく進化している時代(90~110億年前)の原始銀河団からフィールドまで様々な銀河の環境下において、星形成銀河(Hα,[OII]輝線銀河)の探査を行なう観測提案をすばる望遠鏡のインテンシブプログラムとして提出し採択され、10晩が割り付けられた。そのうち7晩の観測をH22年度の10~11月にかけて実行した(残りの3晩はH23年度)。その結果、初期進化段階の銀河団では、同時代のフィールドに比べて同等またはより活発な星形成活動が起こっていることが明らかになってきた。銀河団銀河はフィールド銀河に比べて年齢の古い銀河が多いが、ついに観測が、銀河団銀河の形成時期にまで遡ってきたことを示唆しており、その物理過程を明かすための最良のサンプルが得られた。一方、すばる望遠鏡の新しい近赤外多天体分光装置FMOSを用いて、個々の星形成銀河を分光してその性質(星形成率、重元素量、銀河中心核の活動性)を詳しく調べる観測提案を、FMOS開発チームと共同で大型提案として提出し、その結果待ちである。 査読論文および国際会議での成果発表:これまでに得られた本課題の研究成果を主要な査読論文雑誌(共著)に2本発表した。また、6/2に柏、7/2にソウルでそれぞれ開かれた銀河進化に関する国際会議に出席し、本課題で得られた成果を主とした招待講演を行った。
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Research Products
(5 results)