2011 Fiscal Year Annual Research Report
すばる望遠鏡が俯瞰する銀河団における星形成活動の空間分布と時間発展
Project/Area Number |
21340045
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
児玉 忠恭 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (80343101)
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Keywords | 光学赤外線天文学 / 銀河天文学 |
Research Abstract |
本年度は当研究課題の最終年度であった。前年度にすばる共同利用の観測時間をインテンシブプログラムとして獲得し、前年度から今年度初頭にかけて計10晩の観測を成功裏に実行した。これは本課題で作成したMOIRCS狭帯域フィルターと既存のSuprime-Cam狭帯域フィルターとを使って、1.5<z<2.5の7つの遠方銀河団(と一般フィールド)に付随する星形成銀河を、Hα輝線または[OII]輝線を捕らえることによってサーベイするプロジェクトで、「MAHALOすばるプロジェクト」と命名し実行した(MApping HAlpha and Lines of Oxygen with Subaruの略)。取得した大量のデータは、ポスドクや院生の協力を得て整約し、星形成率や環境、星質量などとの相関などの様々な解析を行った。これは銀河形成の最も活発な時期において銀河形成をコントロールしている主要な物理パラメターを探るのが主な目的である。これまでの主な結果は、星形成銀河でトレースできる大規模構造がいずれの銀河団の周りにも発達していることが分かったことや、その大規模構造に沿って銀河の星形成活動を調べたところ、z>1.5では銀河団の中心部でも星形成活動は大変活発化しており、もはや星形成活動が環境には強く依存していない実態が明らかになったことなどである。これらの成果は今年度に2本の査読論文として公表し、さらに一本を査読誌に投稿中である。さらに、平行して国内外の主要な研究会において、プロジェクトの進捗報告や成果発表を広く行った。現在さらに2本の論文を準備中であり、近々投稿する予定である。
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Research Products
(3 results)