2010 Fiscal Year Annual Research Report
超低温サブミリ波・X線アレイ検出器の革新的な信号読み出し方法の研究
Project/Area Number |
21340046
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
満田 和久 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (80183961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 繁男 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (40266367)
竹井 洋 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (30509857)
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Keywords | X線分光検出器 / マイクロカロリメータ / ボロメータ / 周波数多重波 / マイクロ波 / 非熱消費型カロリメータ・ボローメータ |
Research Abstract |
本研究は次々世代の超高感度サブミリ波およびX線観測をめざして、超低温を用いた超低雑音検出器、特に誘電体型マイクロカロリメータの大規模アレイを読み出すためのマイクロ波領域の搬送波を用いた革新的な基本技術を実証することを目的とする。すなわち、Co-Planer Waveguideに、誘電体カロリメータを含む共振回路のスタブをとりつけ、カロリメータの信号をその共振周波数の変化としてとりだそうとするものである。搬送波の周波数をGHz帯に設定することによって原理的にはキロ画素オーダーの素子からの信号の多重化が可能である.今年度は、昨年度に続いてCo-Planer Waveguideの設計を,特に,誘電体カロリメータ素子とのカップリング方式に重点をおいて電磁界解析シミュレータ用いて行い,第一候補とするカップリング方式を決定した.次に,このカップリング方式に適した形に誘電体カロリメータ素子を実際に加工できことを検証するため,実際にエッチングとダイシングによる加工を行った.さらに,昨年度より整備してきたヘリウム3を用いた0.3K冷凍機とネットワークアナライザーを用いた0.3K極低温環境の試験系に,新たに,HEMTアンプを導入し,高い感度での測定を可能にした.並行して行った誘電体マイクロカロリメータ素子候補である酸素を同位体置換したSrTiO3基板の誘電率測定実験から誘電率の温度変化は期待ほど大きくないことがわかったが,熱容量やシミュレーションによる共振回路のQの値が実現出来れば,0.3Kの動作温度であってもX線の検出が可能であることがわかった.
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