2011 Fiscal Year Annual Research Report
連星中性子星およびブラックホール中性子星連星の合体による重力波に対する数値的研究
Project/Area Number |
21340051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 大 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80252576)
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Keywords | 重力波 / ブラックホール / 中性子星 / 連星 / 数値相対論 / 一般相対論 / 宇宙物理学 / ニュートリノ |
Research Abstract |
本研究の目的は、連星中性子星およびブラックホール・中性子星連星の合体過程および放射される重力波の波形を、中性子星の質量や状態方程式、ブラックホールの質量やスピンを幅広く変化させながら、これまでになく系統的にかつ定量的に正確に明らかにすることである。 H23年度は特に、以下に挙げたシミュレーション研究を共同研究者(関口雄一郎、木内建太、久徳浩太郎、仏坂健太(いずれも京都大学)と進めた。(1)連星中性子星:異なる断熱指数を持つポリトロープをつなぎ合わてモデル化された状態方程式(ピースワイズポリトロープ状態方程式)を用いて、中性子星をモデル化する。今年度は特に、4つのポリトロープをつなぎ合わせてモデル化した状態方程式を合計4通りを採用してシミュレーションを系統的に行った。特に、合体が始まるときの特徴的周波数や合体時に形成される大質量中性子星から放射される重力波に着目し、それが状態方程式に如何に依存するか調べた。(2)ブラックホール・中性子星連星:ブラックホールのスピン、ブラックホールと中性子星の質量、中性子星の状態方程式に対するパラメータなど多数のパラメータが存在する。今年度は、ブラックホールのスピンが存在する場合に注目し、その値を-0.5~0.75の範囲で選びシミュレーションを系統的に行った。中性子星の状態方程式に関しては、(1)同様、ピースワイズポリトロープ状態方程式を用いた。(3)有限温度の現実的状態方程式を用いた連星中性子星に対する研究:合体後大質量中性子星が誕生する場合、有限温度の効果(有限温度の状態方程式とニュートリノ放射)がその進化に重要な役割を果たす可能性がある。またニュートリノがどの程度放射されるのか、定量的に調べるためにも物理素過程を取り入れる必要がある。これらを明らかにするためには有限温度の状態方程式とニュートリノ輻射効果を取り入れた数値シミュレーションが必要である。今年度は、さまざまな質量の中性子星(太陽の1.3~1.6倍程度)を用意し、シミュレーションを世界で初めて実行した。いずれのテーマに対しても複数の論文を公表した。 これらに加えて計算で得られた重力波の波形を随時ホームページに公表した。それらは、海外の共同研究者によって解析され、来るLIGO重力波観測計画におけるパラメータ決定精度のシミュレーションに役立てられている。
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Research Products
(16 results)