2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
紀井 俊輝 Kyoto University, エネルギー理工学研究所, 准教授 (30314280)
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Keywords | バルク超伝導体 / 放射光 |
Research Abstract |
10周期程度からrなる小規模プロトタイプを製作し、交番磁場生成試験を行うとともに、数値予測モデルの確立をめざし静磁場計算コードを開発するという当初の目標に即し、11周期のプロトタイプを製作し、交番磁場生成試験を実施し、実験結果を再現可能な静磁場計算コードを開発した。 液体窒素温度に冷却可能な2重真空ダクト内部に新日本製鉄(株)先端技術研究所で開発されたQMG(クエンチ・グロウ・メルト)法により製造されたバルク超伝導体を積層し、ソレノイド電磁石により磁場制御を行い交番磁場生成を行った。電磁石への電流を制御することで、磁場強度が制御できることを確認したほか、バルク超伝導体の磁気飽和現象に伴う性能変化を確認した。 数値計算に関しては、バルク超伝導体内部に誘導されるループ電流をモデル化し、電流素片のつくる磁場を計算するコードを開発した。実験結果と計算結果の比較を行ったところ、10%以下の精度で一致し、このモデルにより新型アンジュレータの性能を予測できることが明らかになった。 極低温にバルク超伝導体を冷却した場合、超伝導体内部に誘導可能な電流密度が上昇するため、強力な交番磁場が生成できることが予測できる。20K程度まで冷却したことを想定し、液体窒素温度時に対し臨界電流密度を10倍以上向上させた場合のアンジュレータ磁場を計算したところ、既存の永久磁石型アンジュレータを超える短周期・強磁場が生成が予測できた。 また、2Tのソレノイド、および液体ヘリウム温度まで冷却可能な3重真空ダクトの設計を行い、低温における性能評価を実施するための実験環境の整備を行った。
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Research Products
(5 results)