2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
紀井 俊輝 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (30314280)
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Keywords | アンジュレータ / バルク超伝導体 / 放射光 |
Research Abstract |
本研究では、次世代の放射光として期待されている強磁場・短周期アンジュレータの実現をめざし、バルク超伝導体を用い、新しい原理に基づいたアンジュレータの研究を行うものである。 これまでに、実施した原理検証試験において、周期交替磁場の生成・磁場強度の制御が可能であることを確認したが、アンジュレータの端部で磁場分布の乱れが発生することが判明した。 今年度は、アンジュレータ端部におけるバルク超伝導体の配置を最適化することで、端部磁場の補正を行う手法を提案し、数値計算モデルによる予測および実験による補正法の検証を実施した。 その結果、本手法が端部におけるアンジュレータ磁場の補正に有効であることを確認した。 また、アンジュレータとしての十分な性能を発揮するためには、10K以下での極低温で運転を行う必要がある。今年度は、2T超伝導ソレノイドによる磁場生成試験のための準備を実施した。具体的には、ヘリウム連続流クライオスタットによる冷却機構の開発を行った。 前年度に開発を行なった、数値計算モデルを用いて、低温でのアンジュレータ特性の予測を行ったところ、周期10mmギャップ4mmでほぼ1Tの周期磁場発生が期待できることを明らかにした。 さらに、アンジュレータで用いる超伝導体の個々の特性のばらつきがアンジュレータ磁場の一様性に与える影響を数値計算により評価し、臨界電流のばらつきのおよそ1/5から1/7がアンジュレータ磁場のばらつきとなる特性を明らかにした。この知見は実用機で用いる超伝導体の一様性に関する要求レベルを大幅に緩和するものである。
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Research Products
(13 results)