2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340061
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡本 宏己 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40211809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 浩之 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (10334046)
伊藤 清一 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (70335719)
池上 雅紀 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (20332116)
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Keywords | 加速器 / 荷電粒子ビーム / 非中性プラズマ / 空間電荷効果 / イオントラップ / ソレノイドトラップ |
Research Abstract |
特殊な非中性プラズマトラップ中に閉じ込められた電子あるいはイオンの集団は、加速器中を相対論的速度で伝搬する荷電粒子ビームと物理的に等価であることが証明できる。この事実に着目し、安価でコンパクトなトラップ装置を利用して、次世代加速器の基礎研究(とくに、高品位ビームの生成過程で問題となる"空間電荷効果"の実験的・理論的研究)を展開している。昨年度に引き続き、「機能分離型線形ポールトラップ(MSPT)」を用いて高密度プラズマの矩形波閉じ込め実験を行った。最も一般的な強集束ラティス構造(いわゆるFODOラティス)を想定し、いくつかの基本パラメータを変えながら共鳴不安定領域の変化を観測した。集束力(F)と発散力(D)に差がある場合、一部の共鳴禁止帯が分裂することを確認した。この実験と並行して、新規MSPTによる"共鳴横断不安定性"の系統的研究にも着手した。その結果、ビーム密度が高い場合、四半整数チューンで発生する線形集団共鳴が固定磁場型強集束加速器(FFAG)のパフォーマンスに深刻な影響を与え得ることが分かった。共鳴禁止帯の横断方向を逆転した実験も実施し、ビーム質の劣化がやや軽減されることを見出した。以上のテーマとは別に、レーザー冷却技術を駆使した超低エミッタンスビームの安定性に関する実験も進めている。昨年度から「多重電極型ソレノイドトラップ(MRET)」に基づくビームハロー形成過程の研究も行っており、外的攪乱によるハロー生成量が当初の予想を大きく上回ることを再確認した。攪乱の強度や時間幅、プラズマの初期状態などを調整しつつ実験を続ける一方、"WARP"コードを使った多粒子シミュレーションも試みてきたが、観測データと数値計算結果の間には無視できない差がある。この重要な問題をさらに追求するため、加速器研究用に最適化された高性能MRETの構築を現在検討中である。
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Research Products
(14 results)