2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340064
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
住吉 孝行 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (30154628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門叶 冬樹 山形大学, 理学部, 准教授 (80323161)
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Keywords | 素粒子実験 / 光検出器 / ガス増幅 / GEM |
Research Abstract |
Ion-feedbackによりバイアルカリ光電面の感度が早期に劣化することが判ってきた。まずCsI光電面で劣化の割合が光電陰極面に到達するイオンの量とどのような関係にあるのかを調べ、9.9mC/mm^2で陰極感度が80%落ちることが判った。 Micromegasの製法として、エッチングにより金属薄板に微細な孔(100~190μmφ)を250μmピッチで開ける方法を取り入れた。Ion-feedbackを抑制するための孔の大きさに関して、Maxwell-3DとGarfieldを用いたシミュレーションを行い、より抑制の効いた電極構造を探った。特に2段のMicromegas構造を取り入れた時に、孔の位置を上下2段で一致させるか、それともずらして配置するかでIon-feedbackの抑制効果に違いがみられることが判明した。実際にこれらの異なった孔径と孔の配置をもつガス光電子増倍管を製作し、ゲインやIon-feedbackがどのように改善するかを調べた。その結果、上下で孔を一致させた場合にはゲイン、Ion-feedback共にずらした場合より悪い結果となった。ずらした場合において、上側の孔を100μmφで固定し、下側を130μmφと190μmφで比較した。その結果同じ印加電圧で後者は10倍のゲインを示した。また、Ion-feedbackに関しても後者で10^<-3>が実現されたが、前者では10^<-2>にしかならなかった。未だ、Ion-feedback抑制に不足はあるが、ほぼ期待通りのゲインとIon-feedback抑制を持ったガス増幅型の光電子増倍管が出来た。尚、50x50mm^2の大きさを持つ試作品の結果は間もなく得られる。
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