2010 Fiscal Year Annual Research Report
新型レーザー光蓄積空洞による高速偏極スイッチング高効率ガンマ線源の実現
Project/Area Number |
21340070
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
大森 恒彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (80185389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 洋介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (40509783)
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Keywords | コンプトン散乱 / 量子ビーム / レーザー・電子衝突 / 加速器 / 国際リニアコライダー / International Linear Collider / ILC / 偏極ビーム |
Research Abstract |
平成22年度は次の研究を行い、記載のような成果が得られた。 (1)「ひねり」のある4枚ミラー空洞の基本的特性を研究する為の実験を大気中にて行なった。これに必要な簡易型4枚ミラー空洞を制作した。この空洞を用いる事により空洞の「ひねり角」に関する有用な情報が得られた。元々の計画では「ひねり角」は90度キッチリとしていた。対称性の考察からそれが唯一の選択であると考えていた。しかしその後、理論モデルによる計算と、簡易型4枚ミラー空洞による実験によって、「ひねり角」を微妙に変化させる事で空洞の性能が向上する事がわかった。具体的には小さなスポットサイズがより安定に達成出来る。 (2)真空対応の(つまり加速器組み込み型の)4枚ミラー空洞を制作した。この制作に当っては上記(1)の成果を取り入れ、ひねり角を91.2度とした。またH21年度に制作した試作空洞の成果を取り入れて、ミラーのアライメントがより容易に出来るようにミラーマウントをキネティック型からジンバル型に改めた。さらにミラー表面の近傍にアライメント用の着脱式のジグを取り付け可能とした。 (3)平成21年度に引き続いてフィードバックシステムの研究を行った。「ひねり」のある4枚ミラー空洞は、右巻きの光または左巻きの光のいずれかが特定の空洞長に対応する固有状態になる、という独特の偏光特性を持っている。本フィードバックはこの特性を利用するもので、共鳴(固有状態)のピークに敏感であり高性能であるとともに、右巻き左巻きを高速で切り替え可能であるという優れた特性を持つ。
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Research Products
(3 results)