2011 Fiscal Year Annual Research Report
新型レーザー光蓄積空洞による高速偏極スイッチング高効率ガンマ線源の実現
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21340070
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
大森 恒彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (80185389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 洋介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (40509783)
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Keywords | コンプトン散乱 / 量子ビーム / レーザー・電子衝突 / 加速器 / 国際リニアコライダー / International Linear Collider / ILC / 偏極ビーム |
Research Abstract |
平成23年度は次の研究を行ない、記載のような成果が得られた。 (1)22年度に制作した真空対応4枚ミラー空洞を納めるための真空チェンバーを制作した。この真空チェンバーは、4枚ミラー空洞を納め、その内部を高真空に保ち、先端加速器試験施設(ATF)の電子蓄積リング(ダンピンリングDR)に組み込み、レーザー光とATF DRの電子ビームの高効率な衝突を実現する為のものである。 (2)真空チェンバー制作と平行してフィードバックシステムの制作を行なった。このフィードバックは本研究の特徴である「ひねり」のある4枚ミラー空洞の独特の偏光特性を利用したもので高性能であるとともに、右巻き左巻きを高速で切り替え可能であるという優れた特性を持つ。 (3)上記(1)の真空チェンバーに、実際に真空対応4枚ミラー空洞を納め、その上で十分な真空度が達成出来る事を確認した。またレーザー光が問題なく蓄積出来る事を確認した。 (4)これらのシステム一式を精密可動架台(既存)の上に設置し、ATF DRへの組込みを行なった。 (5)真空チェンバー内の空洞とビームパイプが、ATF DRの持つ世界最高レベルのビーム品質を悪化させる事の無い事を確認した。 (6)このシステムを用いレーザー光と電子ビームの衝突を行ない、ガンマ線の生成を確認した。 (7)精密可動架台でレーザー光の位置を変えながらガンマ線生成率の変化を測定する事により、集光点におけるレーザー光のサイズを精度よく推定出来る。この方法により、レーザー光が15ミクロンの大きさに絞られていることを確認した。つまり本研究の目標の一つは達成出来たことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4枚ミラー空洞、真空チェンバーが予定どおり完成し、レーザー光蓄積も問題なく行なえている。加速器への組み込みも完了し、ガンマ線の生成も確認出来た。レーザー光が15ミクロン程度の大きさに絞られていることが確認出来ている。蓄積増大率がまだ十分に高く無いが、その向上は最終年度(平成24年度)の課題と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
積増大率の向上に力を注ぐと共にマルチバンチガンマ線生成の観測精度を上げる。
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Research Products
(5 results)